仕事を自動化するための考え方、注意点、成功のポイントとは?

少子高齢化の影響を受け、多くの企業で人手不足が慢性化しつつあります。これまでと同じような成長を続けていくためには、少ない人数で業務を回すために生産性を高めなければなりません。重要なポイントとなるのがルーティンワークを自動化し、業務効率を高めることです。今回は、自動化にはどういった方法があるのか、自動化するうえで考えなくてはならない点や注意するべき点など、業務効率を高めるポイントをお伝えします。
<CONTENTS>
効率的な事業運営を実現させるポイントは仕事の適切な自動化にあり
仕事を自動化するメリットと方式
仕事、特にルーティンワークを自動化させると企業や社員にとってどういったメリットがあるのでしょう。
仕事を自動化するメリット
- 人手不足の解消
仕事を自動化すれば、社員の手を使わずに作業が進むため、人材不足の解消につながります。
- 業務効率化
これまで社員が手作業で行ってきた作業を自動化することで、業務の効率化が進みます。
- ケアレスミスの削減
基本的にこれまで人が行ってきた作業を機械が代替することになるため、データ入力ミスや集計作業時の計算ミスといった人為的なミスが減ります。
- 生産性向上
非コア業務や手作業で行っていた単純で定量的な作業などの仕事を自動化すれば、社員はコア業務や生産性の高い仕事に集中できるようになるでしょう。
ルーティンワークを自動化するための方法
仕事を自動化させる方法として考えられる主な方法はツールの導入です。ここでは仕事を自動化するための主なツールを紹介します。
- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
主にホワイトカラーがパソコンを使って行う作業の自動化を実現するツールです。「データ集計・入力」「請求書や見積書の作成・印刷」「給与計算」といったものから、「営業管理ツールに記載された営業社員の交通費・交際費を集計して経理部門で精算作業を行う」といった部門を超えた業務まで、自動化を可能にします。
- MA(マーケティングオートメーション)
マーケティングの活動において、従来、人手で繰り返し実施していた定型的な業務や、人手では膨大なコストと時間がかかってしまう複雑な処理や大量の作業を自動化し業務効率を高める仕組みです。例えば、自社のWebサイトに訪問し、メールマガジンを登録したユーザーのメール開封率の測定をする作業や、訪問数、訪問したページに対応した販促メールの送信などの作業を自動化します。
- 営業管理ツール
営業管理ツールには、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント、顧客管理システム)、SFA(セールスフォースオートメーション、営業支援システム)などがあります。CRMは取引先や担当者の情報を集計・分析します。これに対し、SFAは営業活動を管理するためのツールです。取引先との商談内容の管理やプロセスを管理するほか、見積書や請求書の発行機能を備えたものもあります。
CRM、SFAの単体利用でも効果を発揮しますが、CRMに蓄積したデータを基にSFAを使って営業活動を効率化するといった使い方も可能です。
- 経理管理ツール
経理管理ツールには、日々の経理作業を自動化するものから、月次・年次決算業務を効率化させるものまで多くのタイプが存在します。現場レベルにとどまらず、経営状況の数値をレポート化したり、分析したりと経営判断に生かせるツールもあります。こうしたツールを活用することで、経営判断の迅速化も期待できます。
仕事を自動化するうえで考えるべき点とは?
仕事の自動化はさまざまなメリットがありますが、やみくもに自動化を進めるだけでは多くのメリットは享受できません。そこで、仕事の自動化をうまく進めていくために考えるべきポイントを紹介します。
- 業務プロセスの可視化
仕事の自動化を進めるうえで最初に考えるべきポイントは現状の把握です。現在の業務プロセスを可視化させ、仕事を滞らせてしまっているボトルネックはあるのか、あるとすればどこなのかを把握しましょう。
- 自動化に適した仕事かどうか
ボトルネックになっている仕事が明確になったら次に考えるべきは、その仕事が自動化に適しているかどうかです。基本的に自動化できる仕事は常に手順が一定のルーティンワークであり、「頻繁に手順が変わる」「毎回、人の判断が必要」といった仕事には向きません。そのため、ボトルネックになっている仕事のなかから、自動化に適したルーティンワークを選び出します。
- コストパフォーマンスは?
仕事の自動化によるメリットとして、「人材不足解消」「生産性向上」などを挙げました。しかし、自動化する業務の内容によっては、ツール導入によるコスト高といったデメリットが生じる可能性もあります。そうした際は、「ツールを使わずに効率化する方法はないか」「よりコストを抑えられるツールはないか」といったことを検討する必要があるでしょう。
仕事の自動化をする際の注意点
ツール導入を決め、実際に活用する段階でも、何点か注意しなければならない点があります。ここではそのなかでも、主なものとして4つの注意点を説明しましょう。
- セキュリティ対策を怠らない
社外のクラウドサービスだけでなく社内サーバーを利用する際も、サイバー攻撃による情報窃取や内部からの情報漏えい対策を欠かさないようにしなければなりません。ウイルスソフトの導入や外付けUSBの持ち出し禁止といったルール策定のほか、定期的なセキュリティ教育や勉強会を開催し、セキュリティに対する意識を徹底させることが重要です。
- 自動化によってできた時間をどう活用するか
自動化を進めれば、これまでルーティンワークに追われた社員が生産性の高い仕事に集中できるようになるでしょう。しかし、すべての社員が生産性の高い仕事に取り組むようになるとは限りません。そのため、自動化によってできた時間をどう活用し、生産性を高めていくか。生産性の高い仕事を行うための意識改革が欠かせないでしょう。
- 社員が自動化ツールを扱えるか
自動化ツールには、プログラミングの知識が求められるものもあります。そのため、使い方の教育や適切な人員配置、場合によっては新たな雇用まで、中長期的な視点で人材戦略を考えなくてはなりません。
- サポート体制が充実しているか
自動化ツールのなかには海外製のものもあり、日本製よりも優れているケースも少なくありません。しかし、サポート体制が整っていないと、いざ問題が発生した時に仕事が滞ってしまいます。そのため、特に海外製のツールを選択する際には、日本語かつ、電話でのサポートも行っているかどうかなどサポート体制の確認も必須です。
効率的な事業運営を実現させるポイントは仕事の適切な自動化にあり
今後さらなる少子高齢化が避けられない日本で、企業が競争力を高めながら成長を続けていくには、限られた人材で最大の効果を発揮できる環境作りが欠かせません。その方法のひとつとして、大きな期待を集めているのがツール活用による仕事の自動化です。
これまで人の手を使って行ってきた仕事を自動化すれば、「業務効率のアップ」「ケアレスミスの軽減」「生産性向上」などさまざまなメリットを享受できます。その結果、従来以上の成長も期待できるでしょう。
ただ、やみくもに自動化を進めても失敗してしまうリスクがあるため、ツール導入時は自社の現状をしっかりと把握し、適切に進めていく必要があります。
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