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コロナ禍においてオフィス移転を実行するメリットと移転手順

コロナ禍においてオフィス移転を実行するメリットと移転手順

世界中で猛威を振るい、現時点でも収束が見えない新型コロナウイルス。これまでにもさまざまな感染症はありましたが、私たちの生活や働き方を根底から覆すほどの影響を及ぼす感染症は初めてでしょう。コロナ禍において、感染拡大防止の目的からテレワークを導入する企業が増え、それに合わせてオフィスを移転する企業も増加しています。なぜ、コロナ禍においてオフィス移転が増えているのでしょうか? そこで、コロナ禍の今、オフィスを移転するメリットを見つつ、移転の事例や移転準備として行うべきことをお伝えします。

コロナ禍でのオフィス移転の目的

感染拡大防止のために多くの企業が導入を進めたテレワーク。もちろん、新型コロナウイルスの流行以前よりテレワークを導入している企業はありました。しかし、それはあくまでも数ある業務形態のひとつでしかなく、今回のようなオフィスの在り方を再考するようなものではありませんでした。

従来、オフィスとは、そこに社員全員が集まり、業務をするための場所でした。しかし、新型コロナウイルスの流行以降、オフィスは、集まる必要がある時、あるいはオフィスでないと作業ができない時に来るための場所となりつつあります。そうなれば当然、これまでのオフィス形態が必ずしも効率的ではなくなります。そこで、オフィス移転を検討する企業が増加しているのです。

実際、2020年7月16日、オフィス内装工事を手掛ける株式会社エス・ビルドの発表によると、緊急事態宣言が発令される以前(1~3月)と発令以降(4~6月)でオフィス移転や縮小に伴う原状回復工事の見積依頼件数は3.1倍にも増加しています。

オフィス移転の理由はさまざまですが、そのなかでも多いのは、次の3点でした。

  1. テレワークやローテーション勤務の導入でオフィスに出社する人数が減ったため
  2. 新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が落ち、固定費を削減するため
  3. 新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が上がり、拡張・増員するため

テレワークの導入はもちろん、新型コロナウイルス感染拡大防止で国が発令した緊急事態宣言により、多くの企業が業績悪化、もしくは上がったことがオフィス移転の増加につながっているといえるでしょう。

コロナ禍においてオフィスを移転するメリット

コロナ禍においてオフィス移転を行うにはさまざまなメリットがあります。ここでは、そのなかでも主なメリットを3つ紹介します。

1.現在よりも小さいオフィスに移転することで固定費削減につながる

テレワークやローテーション勤務の導入、もしくは業績悪化による移転の場合、現在よりも小さなオフィスに移転することで、固定費の削減が見込めます。

2.広さを変えずとも都心から離れることで固定費削減につながる

仮にオフィス面積を変えない移転であっても、テレワークを導入すれば都心や交通の便が良い場所にオフィスを構える必要性が小さくなります。その結果、家賃の安い場所に移転が可能になり、固定費の削減につながります。

3.テレワークやローテーション勤務など新たな働き方に合わせたオフィスを選択できる

都心から郊外への移転も含め、サテライトオフィスの設置、ワーケーションの導入など、テレワークを前提とした新しい働き方に合わせたオフィス選択が可能です。

4人材の定着、新規採用にプラス効果

新しくきれいなオフィスに移転することで、社員のモチベーションも高まります。昨今はワークライフバランスを重視している人も多いため、オフィス移転とともにテレワークやローテーション勤務を組み合わせた勤務体制を構築することで、人材の定着を図ることができます。また、新卒採用や中途採用でのアピールポイントにもなるでしょう。コロナ禍の事業拡大を目指すなら、先手を打つことも大切です。

オフィス移転の手順や必要なもの

では、実際にオフィス移転を行う場合、どういった手順で進めていけばよいのでしょう。ここでは、一般的な手順と用意するもの、準備しておくものを紹介します。

オフィス移転の手順

  • 移転目的の明確化

テレワーク導入のための移転、規模縮小、もしくは拡大のための移転など、移転の目的を明確にします。それにより、予算や移転場所の目安がつけられます。

  • 現行のオフィスの解約

オフィス移転時は、半年前までに解約予告をするのが一般的です。そのため、移転を決定したらできるだけ早めにオーナーに対し解約予告をする必要があります。ただし、解約予告の時期は、オフィスが入居しているビルによっても異なるため、事前に必ず確認しておきましょう。

  • 移転先の物件探し

オーナーに対し解約予告をしたら、移転目的をもとに移転先の物件探しを進めていきます。

  • 現行のオフィスの原状回復工事依頼

移転先の物件探しの目途がついたら、現行のオフィスの原状回復工事依頼を行います。オフィス移転の場合、契約期間内に終了させる必要があるため、余裕をもって依頼するようにしましょう。また、原状回復の範囲は、解約時期同様、オフィスが入居しているビルにより異なるため、事前確認が必須です。

  • 移転先オフィスの契約

移転先オフィスが決まったら契約を行い、入居日を検討します。レイアウト設計・内装工事が必要な場合は、旧オフィス解約日から逆算し、間が空かないように設定しましょう。

  • 引っ越し業者の選定・打ち合わせ

引っ越し業者の選定をします。費用を抑えるためには、複数業者から相見積を取ることをおすすめします。そして、業者選定が終わったら当日までの流れを打ち合わせし、引っ越します。

オフィス移転に用意・準備しておくこと

  • 移転先オフィスで新たに購入が必要な設備、家具

移転先オフィスのレイアウト設計をする際、新たに購入が必要な設備、家具はできるだけ早めに準備しておきましょう。万が一、在庫切れがあった場合、移転先オフィスの入居に間に合わず、業務が滞ってしまうリスクが発生します。

  • 電気、水道、ガス等のライフライン。通信回線の契約・準備

移転が決まった時点ですぐに連絡を取り、引っ越し日の前にはすべて使えるようにしておきます。

  • 税務署や法務局へ提出する書類

本店移転登記申請書、登記簿謄本など、移転に伴い税務署や法務局、都道府県税事務所、労働基準監督署、社会保険事務所などに提出する書類を用意します。

オフィス移転を伴う働き方改革の事例

ここで、オフィス移転によって働き方改革の推進を図った企業事例を紹介します。

オフィス移転で業務効率化と働き方改革を推進

財務・会計・税務システムおよび経営情報サービスの開発・販売を行う株式会社ミロク情報サービスでは、開発部門が3か所に分散されていたため、コミュニケーションのタイムラグによる業務上の非効率が生じていました。そこで、コミュニケーションの活性化と業務効率化を目的とし、3か所の開発部門を1つに集約しました。

移転後のオフィスレイアウトでは、デスクを従来の島型から互い違いに設置し、人と人が偶発的に接触する確率を増やすウインドミル型に変更。さらに、思い立った際、すぐにミーティングを行えるクイックミーティングスペースを設置しました。ほかにも、カフェカウンターやリフレッシュエリアの設置など、多くのコミュニケーションの場を作り、業務効率化と同時にコミュニケーション活性化を実現しました。

同社の移転は、新型コロナウイルス感染拡大以前ですが、分散していた業務の集約、学びやコミュニケーションの場を増やす、従来型とは異なるデスク配置など、コロナ禍後のオフィス移転のヒントになるようなポイントがいくつも見られます。これから移転を検討している企業にとっても大いに参考になる事例といえるでしょう。

オフィス移転のポイントは感染拡大を防ぎつつ、効率的な業務を遂行できる場所の構築

新型コロナウイルス感染拡大の影響前後でオフィス移転の意味は大きく変わっています。これまでは、社員全員が集うことを前提とした移転でしたが、新型コロナウイルス以降は出社した日に感染拡大を防ぎつつ、いかに効率的に働けるかがポイントになります。そのため、オフィスを縮小する場合であっても、ソーシャルディスタンスを保つことを前提としたレイアウトを考えなければなりません。

そうした意味で、オフィス移転においてもまずは感染拡大防止を念頭に、そのなかでいかに効率的かつ、社員の多様な働き方を実現できるかを考えることが重要なポイントとなるでしょう。

参考URL:

 

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