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働き方改革の実現に大きく貢献するRPAとは?

働き方改革の実現に大きく貢献するRPAとは?

2019年4月に施行された働き方改革関連法。「長時間労働の是正」「正規、非正規雇用の不合理な格差解消」「多様な働き方の実現」の3つを柱として、労働環境の変革が求められています。しかし、急速に進む少子高齢化のなかでこれらの課題を克服し、そのうえで生産性向上を実現するのは簡単ではありません。そこで、今回は働き方改革に取り組みつつ生産性の向上を目指すために、大きな効果を発揮するRPA(Robotic Process Automation)の活用についてお伝えします。

少子高齢化が進むことで問題となる恒常的な長時間労働

日本の少子高齢化は世界に類を見ない速度で進行しています。総務省の統計によると、生産年齢人口(15歳~64歳)は2020年4月時点で7,476万3,000人。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、10年後の2030年には6,875万人、2060年には4,793万人まで減少すると予測されており、業種にかかわらず人材不足が恒常化するのは時間の問題といえそうです。

また、人材不足が恒常化すれば問題となるのが長時間労働です。長時間労働の是正に関しては、働き方改革関連法により、時間外労働の上限を原則として月45時間、年360時間(特別な事情がある場合は年720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満)とされています。ただ、大企業では中小企業よりも1年早い2019年4月からすでにこの制限が適用されていることもあり、時間外労働は減少の傾向にあるようです。

しかし、ニッセイ基礎研究所や、総務省、厚生労働省が発表している「労働力調査」や「毎月勤労統計調査」を基に試算したところ、サービス残業は若干増加しているという試算値が出ています。さらに今後の人口減少による影響も鑑みれば、長時間労働の是正はやはりほとんどの企業にとって喫緊の課題であることは間違いないでしょう。

少ない労働力と限られた労働時間のなかで求められる生産性向上

企業として今後も成長を続け生き残っていくには、長時間労働の是正をしつつ、少ない労働力をもって生産性向上を達成しなければなりません。それには、無駄な業務を削減し、必要な業務の効率化を進めるとともに、人材の維持・確保を行う必要があります。その施策のひとつとして考えられるのが、多様な働き方の実現です。具体的には、テレワークや時短勤務の導入が効果を発揮します。その理由は次の通りです。

  • 離職防止対策につながる

オフィスに出社し、定時まで働かなければ正社員でいられない状況では、育児や介護などによりフルタイム出社できない社員はすべて離職せざるを得なくなります。しかし、正社員であってもテレワークや時短勤務が可能になれば、育児、介護をしながら働くことができるため、離職防止につながります。

  • 採用・教育の手間、コストの削減

これまでは離職せざるを得なかった社員がテレワークや時短勤務で継続して働くことができれば、新たに社員を採用する必要がなくなります。これにより、採用、教育にかかる手間とコストが削減可能です。

  • 全国から優秀な人材を確保できる

テレワークの導入は、オフィスに出社して働くという従来の働き方を大きく変えるものです。これまではオフィスに通える範囲に住んでいる人材しか雇用できませんでしたが、テレワークであれば、雇用の範囲を全国に広げられます。

  • 新規採用時のアピールポイントになる

新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの企業がテレワークを導入しました。しかし、準備期間が少なかったこともあり、なかなかうまく機能せず、緊急事態宣言解除に合わせテレワークもやめてしまった企業も少なくありません。

平時からテレワーク、時短勤務を定着させていれば他社と差別化でき、新規採用時のアピールポイントのひとつになります。優秀な人材確保にも効果を発揮するでしょう。

現在においても新型コロナウイルス感染拡大は終息したわけではありません。さらに今後、自然災害、交通マヒなどが起きた際、オフィスがなければ働けない体制では、事業を継続するうえで大きな足かせになってしまいます。

人材不足のなかで業務効率化を実現するRPA

テレワークや時短勤務の定着は、人材不足解消や無駄な業務の削減に大きく貢献します。さらに業務効率化を果たし、生産性向上を実現するには、業務のやり方にも変革が求められます。そこで、効果的なのがRPAの導入です。

RPAとは、主にパソコンを使って行うルーティンワークを自動化するものです。例えば次のようなものが可能です。

  • 毎月決まった取引先の請求書を作成、印刷をする
  • 競合他社のWebサイトを巡回し、競合商品のスペックを取得、比較表を作成する
  • 社員の労働時間を集計し、時間外労働の多い社員をリストアップする

最近では、コールセンター業務で顧客の問い合わせを受けた際、電話番号を参考に顧客情報を照会し、過去の問い合わせデータを瞬時に表示させるといった非定型業務を支援するRPAも出てきています。

RPAの主な特徴

  • 簡単な設定で業務の自動化が可能

これまで、業務を自動化させるシステムといえば、複雑な操作やプログラミングを必要とするものがほとんどでした。しかし、RPAは基本的にプログラミングの知識をもたない社員であっても、直感的な操作で自動化の設定が可能です。

  • 既存のシステムやツールとの連携が可能

種類によって連携できるシステム、ツールに違いはありますが、多くのRPAは既存の営業管理、販売管理、財務管理システムやOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)、メーラー、SNSなどと連携した業務の自動化が可能です。連携システムを問わないため、部署をまたいだ業務の自動化も実現します。

RPA導入により生まれる主なメリット

  • 日々の定型作業からの解放

日常的に行わなければならないルーティンワークから解放され、その時間をコア業務に充てられます。付加価値の高い業務に時間を割けるようになり、生産性向上が実現します。

  • ケアレスミスが少なくなる

売上データの入力ミスや取引先、顧客に間違ったメールを送信してしまうなど、手作業によるケアレスミスが少なくなります。

  • 業務の属人化を避けられる

業務が属人化すると、決まった人だけしかできない業務が増え、ナレッジの蓄積ができません。RPAの導入で業務をマニュアル化することで、属人化のリスクが解消されます。

  • 長時間労働の是正が実現する

休日や業務時間外でもRPAは自動で作業を行うことができます。社員は平日の業務時間を有効活用することで、休日出勤や時間外労働が減り、長時間労働の是正が実現します。

RPAの効果的な活用が人材不足の解決に貢献する

少子高齢化の流れが止まることはありません。将来的に、多くの業種で人材不足の状態になる可能性は高いとみられます。

多少でも業務に余裕があるうちに、来るべき時に備え継続的に事業を成長できる状態にしておかなくてはなりません。そこで、考えられるいくつかの施策のなかでもおすすめなのがRPAの導入です。

簡単な操作でオフィスでの定型作業を自動化し、業務効率化を実現。自動化で空いた時間でコア業務に集中することで生産性も向上します。人材不足や業務効率化に悩んでいる企業はRPAの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

参照サイト:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

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