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リモートワークにも対応!働き方を変えるRPAの利用方法

リモートワークにも対応!働き方を変えるRPAの利用方法

新型コロナウイルス感染症が流行するなかで、企業は働き方の柔軟性を高める必要に迫られており、その手法としてリモートワークが注目を集めています。ただ、働き方を本当に変えるには、リモートワークができる通信環境を整え、働く「場所」を変えるだけでは不十分です。肝心なことは、オフィスにいなければできない業務を削減し、リモートワークでも完結できる作業環境や業務体制を整えていくことです。 


今回は、働き方改革としてのリモートワークへの取り組み方のほか、業務効率化ソリューションとして自治体でも導入が進んでいるRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)がリモートワーク環境の実現にどのように貢献できるかを考察します。

リモートワークを阻害する理由・原因

新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言発出から外出自粛の流れが加速し、リモートワーク導入に二の足を踏んでいた多くの企業でも一斉に導入が進み出しました。ただ、緊急事態宣言解除後は、リモートワークを取りやめた企業も少なくありませんでした。

では、いったんリモートワークを実施してみたものの、リモートワークを取りやめてしまう原因は何だったのでしょうか?

その阻害要因として下記例が挙げられます。

  • 物理的制約

ハンコによる決裁処理など、オフィスや作業現場にいなければ進まない業務があり、リモートワークだけでは業務が完結しなかった。

  • 慣習的制約

仕事はオフィスで行うべきという既存業務のやり方に固執してしまうマインドセット。

このような要因により、リモートワークは生産性や業務効率が悪い、デメリットのほうが強い、と断じられてしまう機会は多く見受けられます。
しかし、こうした阻害要因を解決に導く方法があります。そのひとつがRPAの導入です。

リモートワークを推進するためにRPAにできること

リモートワーク導入を進めるためにRPAが可能にすることとは、どういったものでしょうか。順にご紹介します。

RPAとは、その名の通り、人の代わりにロボットによって業務を自動化できる仕組みのことをいいます。今まで人が行っていた業務の流れを一度ロボットに覚えさせれば、人の代わりに代行して作業を行ってくれるようになります。一般的に、一定のルールに従って繰り返し行うような業務との相性がよいといわれています。


人が行っていた業務をRPAに置き換えることによって、大幅に業務時間を短縮することが期待できます。特に、単純作業かつ期日の決まっている定型的な作業には効果が大きいでしょう。RPAは、24時間365日稼働することができ、従業員の業務終了後に稼働させておくこともできます。

近年ではクラウド型のRPAツールも多く登場しているため、オフィスや作業現場のPCでなければ作業できないという場所の制限から脱却することができます。

リモートワークにRPAを導入するメリット・注意点

リモートワーク導入にあたっての最大の障壁は、企業全体の現場主義への慣れです。特に、前述した2番目の理由にあたる慣習的制約が最も大きな障害となりえます。

この抵抗感は、リモートワークそのものに対してではなく、業務自体の流れが変わることや、機械に任せられるのかといった経験則の不安感が元となっている場合が多いと考えられます。RPAの最大のメリットは、「定型作業の自動化を図ることができる」という点にあります。しかし、いまだにRPAの導入で「AIに仕事を取られる」と考える人もいます。

そうした人の抵抗感を減らすためにも、業務を自動化していくことで対応負荷が軽減し、業務負担が減ることでコア業務に集中できるというメリットを提案できれば、抵抗感をもつ従業員もリモートワーク導入を受け入れやすくなるでしょう。

このように、RPAの導入で業務プロセスを抜本的に変えることでRPA導入の障壁を取り払い、働き方改革も同時に進めやすくなります。

一方、RPAに限らずリモートワークの注意点としては、ネットワーク越しでの会社情報の送受信が中心となるため、セキュリティ面への配慮も十分に検討する必要があります。

NTT印刷のRPA導入支援サービス

RPAは、PC上で行う操作業務の手順をロボットに記録し再現することで、人間の代わりに自動的に処理を実行します。Officeなどのアプリケーションをはじめ、ERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング:経営管理システム)やBPM(Business Process Management:ビジネス・プロセス・マネジメント:ワークフロー・システム)などの既存の社内システムと連携することも可能です。

NTT印刷では、RPA化すべき業務と人が行うべき業務の切り分けや可視化、RPA導入時のシナリオ作成など、BPOのプロフェッショナルがスムーズなRPA導入をご支援いたします。

コロナ禍でのRPAの利用事例 

コロナ禍での経済的ダメージから国民を救済するために国の施策として「特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関連)」の支給が決定され、実施されたのは記憶に新しいところです。しかしながら、いざ申請がはじまると、対応する各自治体では、膨大な申請書類の処理に現存の人員体制では全く対応が困難というニュースも多く聞かれました。
そのようななか、東京都武蔵野市では、いち早くAI-OCRとRPAを導入して迅速な給付を実現しました。

  • 約75%(約43.8日分)の稼働削減効果を実現!

AI-OCRとRPAの組み合わせによる自動化で、人による入力作業と比較して約75%の削減効果を出すことができました。仮に従来通り、手作業で最大6,000件/日の処理を行った場合には、14人程度の対応職員の増員が必要であったと考えられています。

  • 効率化・自動化した業務フローに関して

従来のやり方では、特別定額給付金の申請書を市民に手書き記入・返送してもらい、自治体にて受領して一時審査が完了した後にシステムに入力をする必要がありました。この紙から人が読み取って人がシステムに入力するところをスキャナで読み取り、AI-OCRにアップロードして申請情報をテキストデータ化します。

このデータを人が目視確認・修正をしてから、RPAにて特別定額給付金システムへ自動入力をする、という流れにし、効率化を進めました。テキストデータをシステムに入力するという単純作業をRPAに代わってもらったのです。このような単純作業だからこそ、RPAであれば休憩もなしに正確にこなすことができます。まさにRPA活用に一番適している作業といえるでしょう。

  • 業務改善内容

人手による入力作業をAI-OCRとRPAでシステム化することによって正確なデータ入力が実現できました。また市役所内は閉じたシステム構成だったため、大切な住民情報も安全に取り扱うことができました。こうして本来は人でしか行うことができない、書類審査や電話案内等に人員を集中的に配置することが実現でき、迅速な特別定額給付金の給付を実現することができました。

 

まとめ

リモートワークの効果を最大化するために、RPAを活用すると大きなメリットがあることはご理解いただけたと思います。RPAを働き方改革推進の重要な手法のひとつとして検討し、真のリモートワークを実現する環境を整えましょう。

 

参考URL:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

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