面倒なFAX対応を自動化しませんか
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、リモートワークをはじめとするDX(デジタルトランスフォーメーション)が各社で推進されるなど、withコロナの新しい働き方(新常態)を目指す先進的なニュースも聞こえてくるようになりました。
その一方では、リモートワークを推進したものの生産性が上がらず、オフィス回帰に方向転換を行う企業も現れ始めています。
2020年6月末~7月初旬に実施された東京商工リサーチによる第6回新型コロナウイルスに関するアンケート調査では、リモートワークを実施したが取りやめた企業は26.7%、という結果が出ています。
レノボ・ジャパンによる『新型コロナ禍の在宅勤務への国際的な意識調査結果(英文)|CNETJAPAN NEWS』では、在宅勤務での生産性はオフィス勤務より下がるとした回答者の比率は、調査対象国の全体平均13%に対して、日本は40%と大きく上回る結果になっており、日本での生産性が低い理由としては、勤務先企業の技術投資が不十分であるという意見が67%を占めました。
リモートワーク推進を阻害する要因は、ネットワークの技術的環境や、電子化されていない紙書類、ハンコによる決裁承認、伝票確認などの経理処理など、さまざま事象が挙げられます。いずれも電子化や自動化など、問題を解消する手段はありますが、一朝一夕で効果を上げることはできません。
しかし、こうした阻害要因を放置したままでは、生産性も変わらないままです。今、この機会だからこそ、デジタルトランスフォーメーションを意識し業務改革を検討する必要があります。
今回はそうした要因のひとつである、ビジネスシーンで頻繁に登場するFAXについて考えてみます。
日本のFAX文化
インターネット回線が発達し、個人間で情報のやり取りが容易となった今日でも、ビジネスシーンではFAXを使う慣習が深く根付いています。
仕事の連絡手段としてはeメールが定着しており、相手への伝達速度や応答の利便性を考えるとFAXを使う必然性はないように思えますが、デジタル化の波にのまれつつもFAXは淘汰されることなく、いまだにその存在感を示しています。日本と比較してデジタル化が進んでいる欧米から見れば、日本人がFAXを現役で使っている事実に驚く、といった報道もあります。
FAXの普及率
総務省による令和元年の通信利用動向調査によれば、情報通信機器の保有状況(世帯)の推移では、FAXは平成21年の57.1%をピークに減少し続けており、令和元年には34%まで落ち込んでいます。
世帯ではなく事業所単位で言えば、古い調査結果になりますが最新のデータとなる平成18年通信利用動向調査の中で、事業所のFAX保有率97.8%という驚異的な数値が出ています。約15年前は、ほぼ全ての企業でFAXが標準化されており、多くのビジネスマンがFAXを利用する業務に馴染んでいたといえます。
このような高い普及率を背景に、FAX中心だった運用や世代がビジネスシーンで現役であるという事と、顧客に合わせて請負側も利用する商慣習も伴い、現在でもFAXの稼働率はゼロにはなっていません。
FAXの利便性
次に、eメールと比較し、FAXが勝る点を考えてみます。
それは、受信したFAXは紙に印刷され現物が手元に残ること、が挙げられます。eメールはその利便性よりメールをやりとりする機会が多い事から、受信はしたが確認が漏れてしまった、といった事態がしばしば見受けられます。FAXも紙を失くしてしまえば同様ですが、紙出力されたものは目に留まりやすく、目の前に置いて確認できるといった利点があります。
特に、従業員ひとりひとりがPCを保有していない飲食店や建設工事現場などの環境では、誰もが直ぐに気付いて確認ができるFAXの方が取り回しに優れている場合もあります。紙を掲示する事で周知閲覧も容易く、デジタルデータとはまた違う安心感があります。
また、FAXは送受信履歴が残るため、送受信に関するトラブルを避ける事ができる点も挙げられます。企業間の受発注連絡において確認漏れは致命的な失態になりかねません。
FAXの確実性といった一面には信頼がおける場合や状況もあります。
FAXとリモートワークの親和性
ビジネス活動においてFAXが存在感を示す理由を確認してきましたが、リモートワーク推進の阻害要因となる理由はその長所である「紙媒体に出力される」ということに他なりません。
リモートワークでは、遠隔でも書類が確認できる、という環境作りが基本となります。FAXのように紙出力が基本となる環境では、書類を閲覧するためにオフィスに出社しなければなりません。そういった意味では、FAXとリモートワークの親和性は、そのままでは非常に低いといえます。
では、親和性を高めるにはどのような工夫が必要でしょうか。
情報の電子化
それはFAX受信した情報を電子化することです。
近年では電話回線ではなくインターネット回線を通じたインターネットFAXや、FAX受信内容を自動的にPDF化する機能を備えた複合機もあります。PDFを遠隔から確認することができる仕組みさえ構築できれば、FAXの確認のために出社する必要もなくなります。
また、やや手間にはなりますが、出社した従業員が定期的にFAX受信を確認し、受信した紙を電子化(PDF化)し、リモートワーク中の従業員へ情報転送する事でも、遠隔で書類が確認できる環境を作ることもできます。
しかし、従業員個別に情報転送をする労力は見過ごすことができません。日に数通のFAX受信であればまだしも何十通~何百通と受信がある場合は、僅かな従業員で対応することは非常に困難です。
AI-OCRとRPAで自動化、文書管理システムで自動保存
しかし、AI-OCRとRPAの合わせ技を用いれば、個別の情報転送にかかる手間を大きく減らすことができます。
電子化後のPDFファイルに対し、AI-OCRやRPAによるロボットの自動処理を行うことで、担当従業員への自動送信や、指定フォルダーへの自動振り分けを行うことも可能です。
例えば、外出中であってもFAXの受信内容を確認できれば、会社に戻る前に素早く初手を打つなど、顧客対応力の向上も期待できるかもしれません。
更にRPAの自動処理から文書管理システムに接続することで、自動で電子書類として保管することも可能です。文書管理システムはリモートワークとも親和性が高く、ネットワーク環境が整っていればどこからでもファイルを閲覧する事が可能になります。このような機能の連携体制が整えられれば、受信したファイルがどこかに消えた、受注履歴を管理簿に保管し忘れた、といったヒューマンエラーの防止策にもなります。
まるごと電子化テレワークソリューション
NTT印刷の「まるごと電子化(プリドキュ)」では、テレワーク推進ソリューションとして、リモートワーク推進の課題や不安を解決するお手伝いをします。FAX受信環境への提言だけでなく、社内書類の効率的なペーパーレス化や、従業員の業務をAIが分析するなど、リモートワーク環境下での生産性向上に貢献します。
リモートワークをあきらめてしまう前に、是非一度お声掛けください。
業務運用の見直しからはじめましょう
リモートによる勤務体系を導入する企業は増加傾向にあります。オフィスへの出社を前提とした従来の働き方ではなく、時間の有効活用や仕事の効率化など業務遂行の自由度の高さがリモートワークの特徴です。実現するためにはオフィスと変わらないICT環境下で仕事ができることが前提となります。FAX送受信が必要になるビジネス活動の場合、FAXの運用はリモートワーク導入の大きな障壁となります。
AI-OCRやRPA、文書管理システムを機能連携することで、紙媒体依存を脱却し、オフィスにいる時と変わらない環境を作り出すことが、リモートワークの第一歩といえます。安定したビジネス活動を継続するためにも、FAXも含め、阻害する要因をひとつずつ解決していく視点が必要です。
参考:
- AI-OCR|サービス詳細|まるごと電子化
- 文書管理システム|サービス詳細|まるごと電子化
- まるごと電子化(プリドキュ)サービス総合案内|お役立ち資料|まるごと電子化
- 第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」|株式会社東京商工リサーチ
- 通信利用動向調査(令和元年調査)|総務省
- People are Working More by Not Going to Work, but Worry about Home Tech, Data Security and Personal Costs|Lenovo
- 在宅勤務におけるIT機器購入の会社負担は10カ国で日本が最少--レノボが調査|CNET JAPAN ニュース
- 働き方改革・業務効率化をまるごとサポート~まるごと電子化(プリドキュ)とは|NTT印刷