ブログ

企業がデジタルアーカイブを活用するメリットと活用例

企業がデジタルアーカイブを活用するメリットと活用例

デジタルアーカイブと言えば、図書館や博物館、美術館をイメージする人も多いでしょう。

しかし、現在は学術機関だけではなく、一般企業にもデジタルアーカイブの活用が望まれる時代となっています。経営規模の大小、社歴の長短から、デジタルアーカイブには無縁とは限りません。社内に蓄積されているあらゆる資料は、今後の企業活動に役立てるべき財産であり、それらを十分に活用するための方法がデジタルアーカイブなのです。

今回は、企業がデジタルアーカイブを活用すべきメリットや、活用事例をご紹介します。

デジタルアーカイブとは?

始めに「デジタルアーカイブ」とはどういうものなのか確認しておきましょう。

デジタルアーカイブとは

内閣府の報告書「我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性」(2017年)では、「様々なデジタル情報資源を収集・保存・提供する仕組みの総体」をデジタルアーカイブと定義しています。

つまり、自社内の情報資源をデジタル化し、必要に応じて容易に共有、利用できるようにしたものと考えるとよいでしょう。

デジタルアーカイブの仕組み

それでは、デジタルアーカイブの仕組みについて簡単に見てみましょう。

現在公開されているデジタルアーカイブの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるデータベースシステムが用いられています。リレーショナルデータベースとは、簡単に言ってしまえば、行と列のある表形式のデータの集合を関連づけることによって横断的にデータの検索やアクセスを可能にする仕組みです。

また、旧来は自社でサーバーやソフトを購入してデータベースを構築する「自社サーバー型」のデータベースが一般的でしたが、自社外で導入できる「クラウド型」というより汎用性の高い仕組みの登場により、企業のデジタルアーカイブが進むきっかけの一つにもなったようです。

デジタルアーカイブのメリット

自社のデジタルアーカイブを持つメリットについてご紹介します。

資料を劣化させることなく保存可能

デジタルアーカイブがあるということは、自社の主な情報資源のデジタル化、および紙資料の電子化が達成されているといえます。特に紙文書の電子化は紙ベースで資料を保存している場合と比べて、資料本体の劣化や散逸や保管場所の確保といった物理的な面でのリスクが低いと言えるでしょう。また、BCP(事業継続計画)の一環としても、情報資源の保全にも役立つと考えられます。

資料の検索が容易

情報資源として数多くの有用な資料を保持していたとしても、必要なときに即座に手に取ることができなければ、その価値は無に等しいものとなってしまいます。

デジタルアーカイブは、デジタル化した自社の情報資源を集積するだけではなく、適切に管理し共有し、検索できる環境を整えることで必要な資料をすぐに参照できるようになります。商品開発や商談などは言うに及ばず、コンプライアンスなどの企業活動すべてにおいて、どのような資料であっても必要時にすぐに確認ができるというメリットは計り知れないでしょう。

また、デジタルアーカイブでは横断検索が可能であり、検索者が思いがけない情報を発見することも珍しくないようです。デジタルアーカイブによって、社員のインスピレーションを刺激することができれば、一石二鳥と言えるでしょう。

資料の活用が容易

デジタル化し適切に管理された資料は、印刷物、電子書籍、Webサイトなど、さまざまな形態でスムーズに二次的な活用ができます。

さらに、デジタルアーカイブとして保持することにより、自社のブランディングに用いることもより容易になるでしょう。潤沢な広告費をまかなえる大規模な企業でなくとも、経営理念や歴史、事業に関連した珍しいコレクションといったデジタルアーカイブを公開することによって、真摯な企業姿勢や良好な企業イメージをアピールすることが可能です。インターネット全盛時代だからこそ、検討したい手法とも言えるでしょう。

デジタルアーカイブの作り方

デジタルアーカイブの作成方法を簡単にご紹介します。

計画書を策定し、アーカイブ化する情報資源を選定するという準備段階を経て、以下の構築手順を踏む場合が多々あります。(複数の手順が並行して進行することもあります)

1. 選定資料のデジタル化

  • 資料のデジタル化におけるコストは、デジタル化する情報資源の種類や状態、量によって異なります。
  • 他機関のデジタルアーカイブとの連携といった「異なるデジタルアーカイブと連携」させる場合には、別途機能連携が必要になります。

2. メタデータスキーマの整理

  • デジタル化した情報資源の付帯情報データであるメタデータ(データに付随する付加的なデータ)に対して、その記述項目や記述形式を決めるのがメタデータスキーマ(メタデータの規則)です。
  • デジタルアーカイブ環境下での効率的で有用な検索を可能とするためには、デジタル化した情報資源データそのものだけではなく、メタデータの扱いも重要です。デジタルアーカイブの目的に合わせて策定しましょう。

3. システムの基本機能、連携機能の確定

  • デジタルアーカイブ自体のシステムの基本機能として、目録データと画像や書類データの登録・管理、ユーザーインターフェースなどの機能を確定します。
  • デジタルアーカイブの用途に合わせ、万人が自在に操作できる機能性が求められます。
  • 他機関のデジタルアーカイブとの連携といった「異なるデジタルアーカイブと連携」させる場合には、別途機能が必要になります。

4. システムの基盤を確定後、システムの構築

  • 自社サーバー型かクラウド型か、用途や容量に合わせ、どちらを採用するか検討します。
  • クラウドを利用する場合には、クラウドの種類の確定から始めます。
  • 自社サーバー型であってもクラウド型であっても、システム構築をアウトソーシングする場合には、委託範囲を明確にしておく必要があります。

デジタルアーカイブの活用例

それでは、デジタルアーカイブを活用している企業事例を見てみましょう。

コカ・コーラ社

アーカイブをビジネスとして活用しているグローバル企業のひとつにコカ・コーラ社があります。

1940年にフランクリン・ミラー・ガレットが初代のアーキビスト(資料の収集、整理、管理、保存をする専門職)に就任し、デジタルアーカイブの基礎を築いて以来、アーキビストも4代目になります。現在のアーキビストは、ソーシャルメディアなどを活用すると同時に、アーカイブをデジタル世界に生まれ変わらせることを目指しているとのことです。

成果の一例として、直近50年のポスターをデジタル化し、社員が閲覧できるようにしたことが挙げられます。

本国の責任者がレクチャー アーカイブが教えてくれる、 「コカ・コーラ」が「コカ・コーラ」であり続ける理由: The Coca-Cola Company

 

パナソニック

パナソニックは創業100年を迎えた2018年に『パナソニックミュージアム』を開設しました。

保持する資料は、文書資料や写真だけにとどまらず、創業者の松下幸之助の音声や記録映像にも及びます。資料は順次データベース化され、『松下幸之助歴史館』からもアクセス可能となっています。

パナソニックミュージアム - Panasonic

身近になったデジタルアーカイブを活用しよう!

クラウドを利用したデジタルアーカイブ作成が可能になったことにより、一般企業においても自社のデジタルアーカイブを持つことは夢ではなくなりました。

前述のコカ・コーラ社では、アーカイブ部門でFacebookページや、Instagramを運用し、YouTubeにも積極的に投稿しています。アーカイブの露出を増やすことによってコカ・コーラというブランドをアピールしています。

日々のビジネス活動に役立つだけではなく、顧客に親近感や信頼感を持ってもらうためにも活用できるデジタルアーカイブの作成を、この機会に検討してみてはいかがでしょうか?

 

参考:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

関連記事