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業務改善の進め方  外部コンサル利用のメリット・デメリット

業務改善の進め方  外部コンサル利用のメリット・デメリット

世界的に見て、日本企業の生産性は低いと言われています。

仕事の生産性に対して課題感を持ち、改善活動を行うべきと考える経営者・経営層の方は少なくないでしょう。しかし、日常の業務に関しては取り立てて支障がないからと具体的な改善活動にまで至らなかった企業も多いのではないでしょうか?

今、私たちが直面している新型コロナウイルス感染拡大による急激な社会状況の大きな変動は、こうした生産性の抜本的な見直しを迫られている状況でもあります。社会や環境の変化に適応し続けるために、「改善する必要のない業務は存在しない」「改善できない業務は存在しない」ということをあらためて認識することが重要です。

業務改善のために、業務の現状を「見える化」してみると、さまざまな課題が浮かび上がってきます。業務の「見える化」によって業務改善を推進する方法について考えてみましょう。

社内業務改善が求められる状況とは?

まずは生産性について考えてみましょう。

日本の企業が抱える課題

GDP(国内総生産)の話題はニュースでよく取り上げられますが、それを国民1人当たりで見たものが「国民1人当たりGDP」です。

経済の発展段階がほぼ同じ国の場合、人口が多い国ほどGDPは大きくなります。それをある程度公平に見るための指標として、国民1人当たりの数値が用いられる場合が多くあります。IMF統計に基づく国別ランキングでは、日本の国民1人当たりのGDPは2000年には世界2位まで躍進しましたが、その後は徐々に順位を下げ、2018年には26位となっています。経済の規模を拡大させて順位を上げる国があれば、一方で順位を下げる国もあります。

日本の国民1人当たりGDPの順位が低下していることから、日本の生産性は他の国と比較して停滞しているため、業務改善の余地があると見ることができそうです。

また、近年、経済のグローバル化が大きく進んでいます。国内のみで活動する企業であっても、海外の類似商品・サービスが日本に流入すると、グローバル化の影響は免れません。国内外での競争力、近年の人手不足を考えると、生産性の向上は個々の企業が取り組むべき課題であると言えます。

現状に問題がなくても一度業務について見直す必要がある

競合他社との価格競争や顧客獲得競争を意識する一方で、サービスの価格や品質を支える日々の業務自体については、意識することは少ないかと思われます。

しかし、日々の業務が問題なく進行しているため業務改善の必要はない、という認識をあらためることが大切です。

より競争力のある企業を目指すには、改善テーマを探し出して解決していくことが必要です。なぜなら継続的な業務改善の結果として、コア業務へ人的リソースを投入する余力が生み出されるからです。

業務改善とコンサルティングの有効性

業務改善の課題抽出には、以下のような手法があります。

業務の棚卸/可視化の必要性とその手法

在庫品等の現状の正確な数を把握することを「棚卸」と言いますが、どのような業務が社内にあるのかを整理するために行うのが「業務の棚卸」です。些末な作業も含めた全ての業務を一覧表などに整理し、可視化します。

例えば、申込処理の業務を棚卸してみましょう。申込処理には大きく、「受付」「内容の確認」「入力作業」「登録」「発送手配」の工程がありますが、さらに業務を分解していくと、「受付」業務だけでも来店、電話、封書、メールといった、それぞれ異なる方法が発生します。

作業の種類と作業量、その作業内容までを分かりやすく一覧表にまとめることで、改善すべき業務や作業内容を見つけることができます。

業務コンサルティングの利用が改善の近道

業務の棚卸表は、その業務内容を理解している現場のスタッフや管理者の協力によって作成することができます。

しかし、社内で業務改善活動を推進するには、業務改善活動自体を実施・推進する人材の確保や、業務改善手法の検討、社内調整などが必要となります。業務改善が必要と感じていても、実際には業務改善に必要となるリソースを確保することが難しく、業務改善活動が進まない例も多くあります。また、現場のスタッフや管理者だけでは、その業務プロセスの根本的な課題を見つけることが難しい場合もあります。

そのような場合に有効な方法の1つが、外部の専門コンサルタントという第三者の手を借りることです。

コンサルティングというと、シンクタンクや大手のIT企業を思い浮かべるかもしれませんが、各業務別に専門のコンサルティング会社があります。オフィスにおける事務業務の改善を中心にコンサルティングを請け負うサービス会社もあります。このようなコンサルティング会社を利用する際に、全ての業務に対してコンサルティングを依頼するのではなく、自社では業務改善が難しい業務のみコンサルティングを依頼することもできます。

BPMという手法と実際の運用

「業務の可視化」の次は、業務改善に入ります。業務改善手法の1つとして、BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)があります。

BPMとは

日本ビジネスプロセス・マネジメント協会によると、BPMとは「業務のプロセスのPDCAサイクルを回して業務の成果を上げるための、新しいアプローチ」と定義されています。

BPMでは、業務プロセスの分析を経て導き出された、新しい最適化されたプロセスを現場にフィードバックします。重要なポイントは、業務改善活動の効果を測定し、継続的なPDCA(計画→実施→検査→次の行動)サイクルの運用により成果を高めることです。

BPMの進め方と効果

BPMという言葉を聞いたことがある経営層や管理職の方は多いと思われますが、BPMによる業務改善の効果を実感している人は少ないかもしれません。

その結果、継続的なPDCAサイクルの運用につながらず、一時的・部分的な改善で終わってしまうことも多いようです。

しかし、BPMによって得られる業務改善の成果は小さくありません。推進するに当たり、立ちふさがる障壁を乗り越えてでも、実行する価値があるのです。

 

ここで、ITサービス会社の株式会社ユニリタが運営するサイト「idearu」の記事「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)とは ~導入への壁とアプローチ方法~」から、BPMで解決すべき対象業務やその効果をご紹介します。

  • 標準化できる業務を標準化し、無駄を省く。そのうえで専門業務についてあらためて認識し、その改善・強化等を別な視点で考える。
  • 業務同士の連携や依存度を把握し、連携の仕方を見直すことで一体感のあるシナジー効果を得る。
  • 業務プロセスが可視化されることで、社内外の変化への対応力が向上する。
  • 業務プロセスの把握と改善の結果、人材やIT資産等のリソース配分の最適化が図れる。
  • 業務プロセスの把握とその改善・改革の工程で業務の手順等をマニュアル化でき、ノウハウ継承、新人育成、異動等を容易にできる。
  • 各業務の可視化の結果、コンプライアンス上のリスクが浮かび上がり、事前対策が打てる。
  • これらの活動を通して各部署の可視化、標準化が進み、企業全体の組織の最適化が進む。

BPMを実施することで、コスト削減や、リソースの最適配分によるコア業務への集中度が高くなり、競争力のある企業に成長できることが、テーマ内容からうかがえます。

BPMの社内実施と外部委託の比較

BPMで解決すべきことが明確になっても、全社を挙げて業務改善に取り組む場合、社内のスタッフだけでは業務改善活動が思うように進まないことがあります。そのような事例は多いため、業務コンサルティングの外部委託を予め検討しておくとよいでしょう。

以下に、社内実施と外部委託のメリットとデメリットについて整理します。

社内実施:メリット

  • 業務委託によるコストが発生せず、BPMのノウハウが社内に残る。

社内実施:デメリット

  • 専門知識の不足、第三者の客観的な視点の欠如による不十分な改善や失敗のリスクがある。
  • 社内調整の際に業務改善プロジェクトの担当者と古参の幹部社員との意見の食い違いや、リストラや業務の廃止を実行する業務改善プロジェクトの担当者が悪者扱いにされるといった理由から社内調整が難航し、思い切った業務改善ができないことがある。
  • 実施専任・兼任者が増えることや業務改善活動の長期化によって、業務改善プロジェクトに携わる社員の見えないコスト(人件費)が膨らむことがある。また、その見えないコストの管理が曖昧になりやすい。

外部委託:メリット

  • 専門知識や技術、経験に基づく第三者視点での的確な診断によって、思い切った業務改善施策が実施可能になる。

外部委託:デメリット

  • 業務委託によるコストが発生する。また、自社に合ったサービス業者の選定に時間がかかる。

 

サービス業者を選定するためには、業務改善が必要になった後に慌てて探すのではなく、事前にいくつかのサービス業者に相談しておくことで負担が軽減し、自社に合ったサービスを探しやすくなります。

社内実施の場合、外部委託費は発生しませんが、社員が活動している間の人件費や、本業への影響などを考えると、外部委託する方がより高い費用対効果を得られる場合があります。

また、日本の企業では専門業務ではない一般的な事務仕事においても、経験値の高い人が属人的に業務を管理していることが少なくありません。業務におけるノウハウや課題が暗黙知のまま受け継がれている場合、第三者が介入して業務改善を行うことが難しくなります。

これらはBPMを進めるに当たり、課題となることを認識しておきましょう。

改善のない業務はないと考えることが、今後の経営では重要

環境が変わればビジネスも変わる必要があります。

環境が変化するスピードは次第に速まっているため、ビジネスの業務改善サイクルのスピードもそれに合わせる必要があります。本業やコア業務の改善だけではなく、それを支える各種業務も、常に見直して改善することが重要です。そして、変化が速いからこそ、社内のリソースだけでは業務改善活動が上手く進まないことがあります。

そのような場合は、経験豊富で専門スキルを持つ外部のコンサルティングサービスを活用してみてはいかがでしょうか。

参考:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

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