ブログ

「働き方改革」に効果的な書類整理の方法とは

「働き方改革」関連法の改正によって、長時間労働の上限規制や割増賃金率の引き上げなどが新たに制定されました。一方では、少子高齢化により労働生産人口の減少が続いています。このような背景から、各企業では労働生産性を向上させることが求められています。

企業の生産性を向上させる方法のひとつとして、非生産的なノンコア(主要ではない/売り上げと直接結び付かない)業務を縮小させることが挙げられます。今回は、その中でも日常的に発生するものの、あまり意識されることのない「書類の整理」についてご紹介します。

働き方改革と社内書類の関係

書類は日常的な業務に関わるものですが、その運用については特に意識していない人が多いでしょう。この機会に「社内書類」と「働き方改革」の関係について考えてみましょう。

「働き方改革」の企業にとってのメリット

「働き方改革」と聞くと、残業時間の削減や有給休暇の取得率改善が思い浮かぶかもしれません。これらは従業員の満足度向上やコスト削減に関わるものです。したがって、ただ単に「残業時間の削減」と「有給休暇の取得」を励行するだけでは、生産性の低下を招きかねません。生産性を向上させることが、「働き方改革」の忘れてはならない重要なポイントとなります。働き方改革で得たリソースをコア業務に充当し、ビジネスの拡大につなげることを視野に入れておく必要があります。

なぜ社内書類が働き方改革と関連するのか?

日本の企業ではこれまで、紙の書類を作成・押印し、役目を果たした書類を保管することが習慣的に行われてきました。紙媒体での書類の運用には印刷コストや保管コストが発生します。また、情報の共有や分析を行うためには、読み込みや入力作業に時間がかかるため、社内に蓄積されていても情報資産として有効活用することが難しい場合が多くあります。

紙媒体での業務運用の場合、担当者や上司の出張時に、社内決裁等の申請・承認行為が滞留し、決裁そのものが遅れてしまうことがあります。また、オフィスのフロアが違うだけであっても、決裁書類を運ぶ時間と人件費は無視できないものです。移動中に重要書類を紛失するリスクもあります。

このように、紙媒体での社内書類の運用には多くの課題があります。しかし、日常的に発生する業務だからこそ、業務の効率化や社員満足度向上といった成果につながりやすいのです。

社内の書類整理に向けた課題

それでは、社内書類の運用改善に向けた書類整理を行うにあたっての課題を見てみましょう。

  1. 書類整理を行う人的リソース
  2. ツールを導入する場合の導入コスト
  3. 新しい書類の運用ルール適用時の社内全体への周知

社内の人的リソースの有無や、時間的なコスト、ツール導入の費用など、書類整理にはさまざまなコストがかかります。現状のままで問題なく業務が進んでいる場合、書類整理の着手に二の足を踏んでしまうかもしれません。

しかし、視点を変えて考えてみましょう。コクヨ株式会社の調査によれば「人は1日平均20分間、何らかの書類を探している」とのことです。過去の企画書や契約書、今月処理すべき伝票や、決裁書類を机上にある書類の山から時間をかけて探し出した経験を持つ人は少なくないでしょう。計画的な書類整理や管理方法によって、書類を探す時間を1日平均で10分間削減できたらどうでしょうか? 月に20日間働いた場合、1年間の労働で1人当たり40時間もの削減になります。「現状のまま」では、企業の時間的なコストにつながると言えるのではないでしょうか。

書類を探す時間を、コア業務に向けられるようにすることが、書類整理の狙いになります。

社内の書類整理・働き方改革の進め方

それでは、働き方改革につながる書類の整理方法をご紹介します。

不要な書類の削減

まず、紙媒体での保存が不要な書類を廃棄することで、書類の検索にかかる時間短縮や保管コストの削減が可能です。

次に、不要な書類を廃棄します。不要な書類として、形骸化した報告書や提出書類が該当します。

さらに、日常的に発生する書類の中で、一定期間使用することがなかったものは今後も使用する可能性が低いと判断し、定期的に廃棄することで保管コストが削減できます。書類に保管期限を設定し、保管期限が過ぎた書類から廃棄していく仕組みを作るとよいでしょう。

ファイリングによる書類整理

紙媒体で保存すべき書類は、ルールを定めて整理しておくことで、書類の検索時間を短縮できます。一般的には、案件や顧客ごとに分類するといったように、書類を項目ごとに分け、インデックスを付けてファイリングする方法が行われています。ただし、書類は扱う部署によって利用目的や再利用の頻度、機密性などが異なるため、部署や業務ごとに適切な文書管理ルールを策定する必要があります。

書類の電子化

紙媒体の書類をファイリングすることですべての書類を保管するのではなく、一部の書類を電子化して保管する方法を検討しましょう。e-文書法や電子帳簿保存法などの法律で電子保存が認められている書類や、参照性が高い書類、共有の必要性が高い書類、事務処理や業務効率化のために電子化した方がよい書類を選定し、電子化していきます。それ以外の、法律上での保管義務がなく、参照することのない書類は廃棄します。そして、法律で紙媒体での保管が義務付けられている書類や、参照する頻度が低い書類は紙媒体での保存を継続します。

社内書類の電子化とそのメリット

社内書類を整理するだけではなく、書類の電子化を並行して進めることのメリットについてみていきましょう。

紙書類のコスト削減と情報の保全

書類を電子化することで、紙媒体の運用で必要となる印刷コストや保管コストを削減することができます。そして、電子化の機会に書類の運用を見直すことで、不要な書類の作成を省き、労働時間などのコスト削減が図れます。書類を電子化すると、データを正副で持つことも可能となるため、BCP対策につながることも注目したいポイントです。

  • 情報の検索性向上や社内での共有化
    書類の電子化によって必要な情報の検索時間が短縮されるため、業務が効率化されます。また、情報共有が容易になり、業務の円滑化にもつながります。書類の保管スペース削減によるコスト削減は書類電子化における目的のひとつですが、その他に、書類の電子化による情報伝達のスピード化や情報共有の推進は、迅速な意思決定や事業の発展につながる大きなメリットです。
  • 将来の業務効率化ツール導入への準備活動としても有効
    書類を電子化しておくことで、将来的にICTツールの導入がスムーズになる点も見逃せません。RPAツールで業務を自動化するためには、書類がデータ化されていることが前提となります。また、Web会議システムといったコミュニケーションツールの導入においても、紙媒体ではなく、電子書類での運用が進んでいることがツールの導入効果を高めるために必要です。

書類の整理はひとつの「働き方改革」

企業にとっての「働き方改革」のメリットは、生産性を向上させてコア業務にリソースを充当し、その結果としてビジネスの拡大をめざすことです。社内書類の運用を見直して整理することで、書類の保管コストや検索時間の軽減が可能となり、生産性向上につながります。まずは社内の書類整理から「働き方改革」を始めてみてはいかがでしょうか。

参考:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

関連記事