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RPAで業務を自動化 実際のユースケースも解説

RPAで業務を自動化 実際のユースケースも解説

近年、業務効率化の手段の一つとしてRPAによる自動化が注目を集めています。RPAとは業務を自動化してくれるものというイメージはあっても、具体的なことについてはピンとこない人もいるでしょう。

今回は、RPAでできること、導入するメリット、どのような業務に活用できるのかについて、事例も踏まえて解説します。

RPAが脚光を浴びている背景

RPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、今まで人が行っていたデータ入力などの定型業務を、ソフトウェアが代行する仕組みのことです。定型業務の自動化という取り組み自体は20年以上前から存在していましたが、RPAが注目されるようになったのは2017年ごろからです。以下のような社会的背景が要因となって、RPAによる業務効率化が強く求められるようになってきたのです。

BPO委託費の高騰

定型業務の効率化の一つとして、定型業務を外部委託するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)という方法があります。1990年代から地方自治体がコアな業務以外を民間企業に委託するようになり、業務のアウトソーシングが広まっていきました。2000年代以降は、人件費の安い中国やベトナムなどの国へ業務をアウトソーシングする海外BPOが盛んになりました。ところが、業務を委託していた国の経済発展に伴い、人件費も高騰しました。海外BPOの最大のメリットであったコストの安さというメリットが薄れてしまい、コストの安い別の手段を探す必要が出てきました。そこで注目を集めたのがRPAなのです。

働き方改革の推進

政府が働き方改革を推進し、長時間労働を解消しようとする動きが強まっています。また、労働人口が年々減少していることもあり、各企業は労働を効率化し、一人ひとりの生産性を上げなければならなくなりました。その解決策としても、定型業務の効率化に高い効果を発揮するRPAに注目が集まりました。

RPAツールの操作性が向上したことによって、導入へのハードルも下がり、RPA導入の後押しとなっています。

RPAでできること 自動化に適した業務

RPAとは、具体的にはソフトウェアロボットが文章や画像、音声などを認識してデータに基づいて業務を遂行することです。作業の処理手順をあらかじめ入力しておけば、その通りに処理を進めてくれます。

従来の産業用ロボットは、荷物の運搬や工場でのライン生産などのブルーカラー業務に活用されていました。それに対して、RPAはオフィスで発生する定型業務のようなホワイトカラー業務に活用できます。

RPAでの自動化に適している業務は、次のような条件を満たしているものです。

  • 決まったルールで行われる
  • 定期的に発生して繰り返しが多い
  • PCだけで完結する

RPAを導入するメリット

RPAを導入することでさまざまなメリットがあります。そのうち主なものを4つ解説します。

業務の効率化

前述の通り、RPAを利用すると、オフィスの定型業務を代行させることにより効率化を図ることができます。システム開発と違い、特別な知識やスキルがなくても業務の効率化や自動化を行えるのがRPAの最大のメリットです。

コスト削減

定型作業をRPAに代行させることで、人が作業するより大幅に作業時間を短縮することができます。また、RPAは24時間いつでも作業することができるので、残業代や休日手当の発生が減少し、結果的に人件費を削減することにつながります。RPAの導入と維持にかかるコストは、派遣社員1人の人件費の3分の1以下に抑えられるともいわれています。

人的ミスの防止

人が定型作業を行う場合、慣れた作業であってもそれを長時間続けることでだんだんと集中力が低下し、ヒューマンエラーが起こる可能性が高まります。しかし、RPAであれば、長時間の作業であっても機械的に正確に行うことができるので、ミスによる手戻りや損害を防ぐことができます。確実に処理を実行するため、人によるチェックにかかる工数も削減できます。

生産性の向上

今まで人が行っていた定型業務をRPAに代行させることで人が有効に使える時間を創出し、新規ビジネスの企画や重要顧客への個別対応といった、人にしかできない業務にリソースを振り分けることができるようになり、生産性の向上が期待できます。特に人手が足りない企業では、RPA導入が生産性向上のカギになる可能性があります。

RPAを導入できる業務とユースケース

RPA導入で業務効率化が期待できる業務をいくつかご紹介します。

経理業務

文字認識技術であるOCRと組み合わせることで、請求書の処理の自動化が考えられます。請求書が紙ベースであっても、OCRで読み取りデータ化することで、RPAによる自動化が可能になります。処理業務をすべて人が行うと、購買データの印刷や請求書との突合に膨大な工数がかかりますが、RPAを導入することで、人による処理が必要となるのはエラー発生時のみとなるため、大幅な工数削減になります。

給与・経費精算

社員の交通費精算では、申請されたルートや金額が正しいかを一つひとつ確認する必要がありますが、経費精算システムと経路検索サービスをRPAと連携することで、これらの作業を自動化することができます。

購買業務

商社などでは購買業務の自動化にRPAを活用することも考えられます。複数のシステムを使っている場合、基幹システムへのデータ入力に膨大な時間がかかります。また、入力ミスがあった場合は手戻りが発生するため、さらに工数がかかってしまいます。しかし、RPAで自動化することによって、作業時間を大幅に削減し、入力ミスもほぼなくすことができます。

メールでの受発注業務

メールシステムと基幹システムをRPAと連携することで、注文書や発注書のメールでのやり取りも自動化することができます。受注に関しては、メールに添付された注文書を自動的に基幹システムに登録し、発注に関しては基幹システムに登録された購買データに基づいて発注書をメールで自動送付します。

販売情報のとりまとめ

卸会社が数十、数百とある場合、それぞれの会社から送られてくるエクセルデータをシステムに登録するために、手作業で管理用のエクセルに転記する作業が発生することがあります。データの形式もなかなか揃わず、転記ミスが発生しやすい作業ですが、RPAで自動化することによって人が行う作業をほとんどなくすことができます。

システムやサーバーの運用監視

システムやサーバーの監視業務にも人が行う定型作業が多く含まれます。例えば、定期的に実施するログの確認やアプリケーションの動作確認、障害が起きたときにメールでアラートを上げるといったことがRPAで代行できます。これらを自動化することで、システムの安定稼働につながります。

カスタマーサポート

自然言語解析や音声解析を行うAI(人工知能)の技術と組み合わせることで、カスタマーサポートにもRPAを活用することができます。顧客の質問に対する回答をあらかじめ入力しておけば、電話・メールなどでの回答が可能になります。顧客の質問に対して素早い回答ができ、オペレーターによる回答のばらつきがなくなるのもメリットです。

データ収集・分析

RPAを導入するとデータ収集や分析も自動化できます。人が行うことで、長時間化や間違い・取りこぼしが起こりやすい作業ですが、RPAなら高速かつ正確に行うことができます。また、構造化されていないデータの読み込みやデータベースの活用も可能です。

RPAは業務効率化の頼もしい相棒

以前はシステム開発を行わないと、業務の自動化は難しいところがありましたが、RPAの登場によって、プログラミングの知識がなくても業務の自動化や効率化が実現できるようになりました。RPAの導入は、生産性向上やコスト削減など企業にさまざまなメリットをもたらします。ソフトウェアロボットは仮想知的労働者と呼ばれることもあり、コンピューター上で働く仮想の労働者とするとイメージしやすいかもしれません。業務効率化を後押ししてくれるパートナーとして、RPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


参考:

業務効率化・働き方改革のお役立ち資料

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